『ゴッド・オブ・ウォー』のゲームレビュー

テクノロジーが進化するにつれ、誰もがキャラクターにより多くを期待するようになりました。以前は、ウルフェンシュタインからララ・クロフトまで2次元のアバターで、さまざまなストーリー性やゲーム機能で魅力を補っていました。 

しかし今回は、復讐に燃える神クレイトスがゲーム『ゴッド・オブ・ウォー』を美しく彩ります。『ゴッド・オブ・ウォー』は最初から、異次元のレベルに達していると言うべきでしょう。店舗でもオンラインでも購入可能ですが、今までにプレイしたゲームと比べると、本当に感動ものです。 

これほど素晴らしいゲームがPS4でしかプレイできないのは信じがたいことです。その仕上がりは実に驚異的であり、ゲーム内の環境、アクションシーン、全体のスケールは、技術的な面から考えると、まさに革命です。 

メインキャラクター 

『ゴッド・オブ・ウォー』はフルRPGであるだけでなく、シリーズとクレイトスのキャラクターが共に進化するにつれて、いかに成長を遂げたかを巧みに示してくれます。オリジナルシリーズがプロローグとしての役割を果たす一方で、この新たな『ゴッド・オブ・ウォー』は、キャラクター造形、アプローチ、デザインに関しては完全に異なるものとなっています。 

今までは、我らがアンチヒーロー・クレイトスは深みのない存在で、あらゆる人や事物に猛烈に怒っていました。しかし、彼の人生のこの新たなチャプターでは、著しい変化が起こります。神話的なルーツをはぎ取られ、極寒の北欧奥地へやってきました。その過程で、彼の象徴ともいえるブレイズ・オブ・カオスも失います。 

今回のゲームでは、クレイトスははるかに脆い半身として描かれており、何より重要なのは、彼が父になったということです。信じられませんよね? 

息子の名はアトレウスといい、彼らの断片的な関係性は『不思議の国のアリス』の旅路のようです。さらに、クレイトスは彼自身と息子を待ち受ける暗い未来を回避するために、いくつかの謎を解き明かさなければいけません。『ゴッド・オブ・ウォー』は暴力の道具ではなく、1人の人間としてのクレイトスを示そうとしています。そして、それはなんとか成功しており、ここ数年でベストゲームソフトだと評価されています。

戦闘に関しては、相変わらず割と暴力的であり、モンスターや凍ったゾンビと熾烈な戦いを繰り広げます。主人公は素手の拳で強力な攻撃を加えることができ、氷の力を秘めた斧と盾も使えます。 

オープニングシーンでは、シカを狩る際に涙を堪える息子の姿が見られます。しかしゲームが進むにつれて、息子は弓矢に慣れ、戦闘の助けになります。2人は戦っていない時には、北欧の遺跡や聖堂や神殿を探索します。宝箱と神話の文書など、謎を解くために力ではなく頭脳が求められるものも登場します。